こんにちは!妹です。
なんとまあ、桜がたおやかに咲いていること・・・
2019年3月下旬のこと。
今日は昼から美容院の予約を入れているから、メイクをしてとっておきの洋服を着よう。
グロスはto/one の13番。使うたびにうっとりするあのぷるぷる感。
ドアを開けた瞬間、私はいつもあの美容院のおサレな雰囲気に圧倒される。それが、いつも私を鏡と睨めっこのおめかしタイムへと向かわせる。
✨
よし、入ろう。
カランコローンという素敵なチャイム音を聴きながらおずおずとドアを開けると、迎えてくれた美容師さんは頭の上に輪っかを乗せた天使のような笑顔を私に向けて、いらっしゃいませ、お荷物お預かりしましょうと声を掛けてくれる。
今日はどんな感じにしましょうか?
ええ、ええ、そうですか
それではちょっと軽くしていきますね〜
サッサッサ
髪が優しく床に落ちる。
サッサッサ
サッサッサ
それではシャンプーしましょう
はい、お願いします(ええ、喜んで!)
リクライニングチェアの中で、私は私の髪がシャンプーの贅沢な香りに包まれていくのを感じる。
ゆさゆさと優しく、でも程よい強さでマッサージされるたびに心地良く頭が揺れて。
幸せだあ。
・・・
そんなふうに恭しく丁寧に扱われていた私の髪。
留学して1年以上経つが、次に髪を切るのはいつなんだろう。
こんなに長い間美容院に行っていないとは、どういう事だろう。
(私の髪の毛も、そう思っているだろう、と思う。)
行くとしたら、ドイツの美容院かな~
それとも日本に帰国する時まで待って、いつものところで切ってもらった方が安心かな~
と、そうこう悩んでいるうちにも月日は過ぎる。
ドイツに来る前は肩にかかる程度だったのに、今はロングもロングな状態だ。
私の住む家(ドイツ)の近所に美容院が無いわけではない。それどころか家から徒歩2分程度のところに小さな美容院があるのを知っている。
良心的な価格設定(女性は20€から、男性は15€で子どもは10€)のせいかチラッと覗くといつもお客さんでいっぱいの美容院。
でも、私はどうしてもそこに行く勇気を出せずにいる。
自分の要望を伝えるときに何て言って良いのか分からないから。ドイツ語で思いを伝えきれる自信がない。(日本でだっていつも美容師さんの提案してくれることにお任せなんだから。)
行ってみたとして、一体どんな髪型にされるのか、という一抹の不安。
どんな髪型にされても、にこにこして
‘Danke, ich bin zufrieden‘
ありがとうございます、気に入りました。
としか言えないことは目に見えてる。
アジア系のお客をほとんど扱ったことがない、ってこともあり得る。髪質はヨーロッパの人たちとは大分異なると思うしアジア系の私が来店したら美容師さんは戸惑うかもしれない。
それとも怖いのかもしれない。
日本で行き慣れていたあの美容院しか知らないから、ドイツの美容院を訪ねることで、私の中であの眩しいような美容院像が崩れてしまうのが。
20€であそこへ入る冒険心を買うか?
それともこのまま、ふと夜に鏡に映った時に六条の御息所のそれに見えなくもない、この髪の行方をなす術もなく見守るか。
ああ、それもまたある意味で冒険?