高校生でも独学で合格できる!ドイツ留学したい・ドイツ音大を目指している方へ
大学はドイツへ、と考えている方。ゼロから独学で、高校生のうちに合格できます。今すぐ始めましょう!
「ゲーテインスティテュートの語学試験B1合格までの道のり」を自分の体験に基づきまとめてみました。(ドイツ音大受験の準備の一環で、ドイツ語の資格が必要でした。)
執筆:妹(バイオリン専攻)
- B1のレベルとは
- 実際、どれくらい勉強する必要があるか?
- A1を受けるまで (中学3年の終わりごろ)
- A2受験の頃 (高校1年の終わりごろ)
- B1受験、ついに合格 (高校2年の夏)
- 使った教材 (購入した問題集、オンライン教材)
- おすすめの会話・作文対策講座!
B1に合格したい場合、語学学校に通う方もいらっしゃるでしょうが、学校に通うお金と時間がもったいない、独学で出来ないか?と思う方も、きっと大勢いらっしゃると思います。
私の場合は音大を受験するにあたり、高校在学中にどうしてもB1に合格しておく必要がありました。受からなかったらどうなるんだろう、と最後まで不安でしたが、無事に何とか合格できました。会話だけ最終的にスカイプレッスンを何度か受けましたが、それ以外は独学です。
語学学校に通うのは、金銭的にも時間的にも厳しく、最初から頭にありませんでした。
何度も落ちて本当に苦労しましたが最終的に何とか合格できましたので、記録として残しておこうと思います。
B1のレベルとは
ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の中では「習得しつつある者・中級者」と呼ばれているそうです。(ウィキペディアより。)
英検2級と比べられることもありますが、「話す」「聞く」のモジュールについてはレベルがかなり高いと思います。
※B1は全モジュール6割以上取れて「合格」。
どれくらいの期間勉強する必要があるか?
ゲーテインスティテュートのサイトには、350時限から650時限(1時限は45分)の授業を受ける必要があります、と書かれています。
私の場合は1年半かかりました。
スタート時のレベル:
まったくの初心者です。アルファベットのドイツ語読みを学ぶところからスタートしました。自分の名前を何とか言えるくらいでした。
合格までの期間:
A1を初めて受けたのが中学3年の冬、B1合格が高2の夏。合格までトータルで1年半、その間A1を1回、A2を2回、B1を2回(合格した回を含む)受験しています。
勉強時間:
最初の1年はのんびりしていました。真剣に取り組み始めてからは(=B1を受けようと決めてから)毎日2時間は勉強していました。B1に合格した回の受験日の直前2か月は、毎日トータルで5時間くらい勉強していました。
A1を受けるまで
ドイツ語を学ぼうと思ったのは、姉がドイツ留学を目指しておりドイツ語を勉強していたので、それに影響されて興味を持ったのがきっかけです。
最初は一日に15分から30分位ちょこちょこっと、オンライン上で学べるドイツ語の勉強サイトなどを覗いたり、1から100までの数字の読み方を眺めたりしていました。
最初の頃はあまりにもドイツ語が未知の世界だったので、何だろうこの見慣れない言葉は? という感じ。ただ、英語に少し似てるかな、とは思いました。(英:I can が 独:Ich kann など。)
そんなこんなで少しずつですがドイツ語の言葉に親しみを感じるようになりました。
そうは言っても最初は自分としてはドイツに留学したいとは思っていませんでしたし、ドイツ語の勉強も完全に趣味の範囲でした。
ぼちぼち勉強を進めて数か月経った頃、興味本位でA1の試験を受験してみました。確かSprechen(話す)があと3点足らずに57点で不合格でした。
結果的にはあっさりと落ちてしまいましたが、試験会場でドイツ人の方が流暢に話しているのを耳にして、また他の受験生の方々が私などよりずっとスラスラと話されているのを目の当たりにし、「もうちょっと勉強してみたい!」と思うようになりました。
それまではなぜ自分がドイツ語を学んでいるのか自分でも謎だったものが、「ドイツ語=憧れの言語」に変わるきっかけとなった、貴重な経験でした。この年齢(15歳)でのA1受験がなかったら、もしかしたらその後ドイツの音大に入学していなかったかもしれません。
しかしながら、なにぶん当時まだ中学生。このころのドイツ語力の進捗状況は亀の歩みでした。
A2受験の頃
オンラインの勉強サイトで読んだり聞いたりするうちに、単語や音に慣れてきた気がしていました。前回A1に落ちたのがショックだったこともあり、ドイツ語を勉強する時間も増えていました。基本的な単語をパソコンで打ちながら覚えたり、文法の問題を解いてみたり。
数か月たった頃、A1はもう受けずにA2を受けてみようかな、と思い始めました。A1の時よりは真剣さも増していたし、試験問題集も買って、準備万端!
だったはずが。
「聞く」10点 「読む」8.75点 「書く」驚きの2.5点 「話す」9点 合計30/100点で、不合格(ちなみに各25点の配点)。ガーン。
試験問題集、もっと解いておけば良かった。
作文の定型文、もっと考えておけば良かった。
色々反省し、2か月後。
気を取り直してもう一度A2を受けますが、これもまた不合格。この時は前回より20点アップしていたものの、「読む」と「聞く」の低い点数が足をひっぱりあと10点のところで不合格でした。
A2を受けてみて、A1の時とはレベルが1つどころか3つも4つも上がっているのを実感し、簡単なものでは全くないことを思い知りました。
B1受験、ついに合格
A2不合格のショックから抜け出せないまま、それでもこつこつと勉強を続けて数か月後にはA2ではなくB1を受験。使用する教材の量は増え、聞くニュースも増え、「ドイツ語を勉強している」という自覚はあったつもりでした。
が、またもや不合格。(この時はSchreiben「書く」だけ合格していたのがせめてもの救いでした。)ここまで落ち続けると、もはや不合格が当たり前のような感覚になってきます。
不合格を意味する「nicht bestanden(ニヒト ベシュタンデン)」が私がいただく結果通知のデフォルトでした。
ここまで来て、これはこのままでは絶対に受からないな、もっと真剣に切羽詰まってやらないとだめだ、という事実とようやく向き合うことになります。(遅い。)
※この時点で、ドイツ語の勉強を始めて1年と少し経っていました。
そうしているうちに高校2年になった4月。引き続きドイツ語を勉強中の私に、ビッグな出来事が起こります。
留学する姉にくっついてドイツのとある音大の、入試直前対策セミナーに参加することになったのです!
結果的に、ここでかなーり辛い体験をしたのが、良かった。
初めての海外。それだけでも不安たっぷりなのに、周りがほぼ全員ドイツ人という恐ろしい環境の中、連日、何時間も講義を受け、容赦なく発言まで求められました。
席についていても(自業自得なのですが)ほとんど理解できる言葉がなくて、もう何を言われているのかさっぱり分からない。それまでの自分ののんびりとした勉強態度を一喝されたような気持ちでした。
私の今までの勉強は何だったのか? 意味あったのかな。
大きな刺激を受け、ガーンというショックな気持ちと同時にいろんな感情が込み上げてきました。最初は留学ということに消極的だったのが、何としてもここ(セミナーを受けた音大)に入りたい!!という気持ちが沸き上がってきたのを覚えています。
とにかく「今までのようにのんびりと勉強してたらいつまでも受からない。仮に入学出来たとしても、このままでは自分が苦労するだけだ」という事がはっきりと分かりました。
セミナーが終わり日本に帰国してからようやく(!)自分をかなり追い込んだ勉強を開始。結果として、ここから2か月間の猛勉強で大きく伸びたと思います。
そうは言っても勉強時間の捻出は、大変でした。
何よりもまず普段は練習(バイオリン)に追われているので、まとまった時間は取れません。まず確保したのは、自宅から高校までの往復5時間の通学時間(高校、本当に遠かった・・)でした。
電車内が混雑していなければひたすら「しっかり身につくドイツ語トレーニングブック」で文法を復習し、単語アプリでひたすら単語を頭に叩き込み、バスの待ち時間や授業が始まるまでの時間など、とにかく空いている時間が少しでもあったら全てをドイツ語の勉強にあてる、という感じで毎日5時間くらい。休日も出来る限りの時間を見つけて勉強しました。
それまでの1年間のお気楽な勉強とは異なり、真剣に、本気で気合を入れました。
そして夏。ドイツから帰国した2か月後の受験で、全てのモジュール「読む」「聞く」「書く」「話す」に合格することができました。
結果は、合計で8割には届きませんでした。でも、とりあえず合格です。
ドイツ語の勉強を開始してから初めて4モジュール全てに「合格」と書かれた通知を手にし、ちょっと涙が出ました。
あまりにも試験に落ち続け、これはもう受かることなんて一生ないのではないか、とかなり落ち込んだ時期もありましたが、それでも受からないとドイツ音大には入学できないので、めげずに勉強を続けてきて本当に良かったです。
使った教材
購入したものは2点。市販の問題集1冊と、ゲーテの模擬試験集です。時間もないので的を絞りました。
購入した問題集
初めてドイツ語を学び始めた頃から、B2のSchraibenとSprechenに合格し、留学する直前まで長くお世話になりました。使いすぎたのでボロボロです。
「ゲーテインスティテュート」の模擬試験問題集
↓B1はこちら。模擬試験が収録されています。
「 Mit Erfolg zum Goethe-Zertifikat: Testbuch B1 mit CD (fur Goethe-/OSD-Zertif 」
↓A2はこちら。練習問題と模擬試験のセットです。
「 Mit Erfolg zum Goethe-Zertifikat: Ubungs- und Testbuch A2 mit Audio-CD 」
④↓A1はこちら。練習問題集です。
「Prufungstraining DaF: Start Deutsch 1 – Ubungsbuch mit CD (1) (A1)」
オンライン教材
これも的を絞って2つだけ。
・ドイツ語コム(基礎を学ぶため。ほかのアプリなどでもよいと思います。)
・DW (ドイツ語学習者の中では有名。)
勉強の順序
1.超基礎の単語と文法をしっかり学ぶ。嫌にならないように楽しめる教材を使う。
私が最初に使ったのはオンライン上のサイト「ドイツ語コム」。
姉が最初の頃使っていたので、私も最初はこれだけやっていました。
少しレトロなサイトですがゲームのようで楽しく覚えられました。(セキュリティが?と出てきますが、普通に使っていました💦)
「語彙」(単語)から始めて、「構造」(超基礎の文法)の基礎3までを何度もやりました。「語彙」は、最初に全部覚えなくてもほかで色々勉強するうちに単語力は身に付くので、先に進んでしまっていいと思います。「構造」の基礎2くらいまでは必須です。
ドイツ語の基本の、冠詞類の格変化を機械的に覚えるのにぴったりです。九九を覚える感覚で、ひたすら呪文のように唱えていた気がします。深く考えるよりも、機械的に暗記していく、という感じです。
2.基礎が身についたら覚悟を決めて文法をしっかり学ぶ。
これは文法問題集で、有名です。先にB1に合格していた姉も愛用の本です。イチオシです♪とにかく文章数が多いので、覚えるとそのまま作文力がつきます。単語もたくさん覚えられます。
1冊の状態では重いので、本を(申し訳ないですが)最初にバラバラにして、2・3課ごとに製本して持ち運んでいました。
16課くらいまでは「ドイツ語コム」で親しんでいる内容に感じたので、ざーっと流しました。17~24課あたりは何度も声に出して唱えたり、書いて覚えました。CDも、繰り返し聞きました。聞いていくうちに、CDの声に馴染みが出てきて物まねできそうなくらいまでになりました。
文法で最も重要なのが「副文と主文の位置関係の決まりごと」をしっかり覚えることだと思います。単語の活用を覚えるよりも、もしかしたら大事なことのように思えました。
それと、作文や会話でも使うので、接続詞(~なので、そのために~等)を使う文章を何パターンか、瞬時に言えるまで完璧に覚えるのも大事だと思います。
それとB1受験までは、接続法については目を通しただけで文章を覚えるところまではやりませんでした。文中に出て来たら形を見て接続法かな?とピンと来て、なんとなくニュアンスがわかる程度で大丈夫みたいです。
3.聞き取りの訓練をする
単語と文法になれたら、聞き取りも少しずつ力がついてきます。
聞き取り訓練で使ったのはDW(ドイチェ・ヴェレ/Deutsche Welle)。
有名なので、ご存知の方も多くいらっしゃるかもしれません。
最初に「Deutsch Lernen」を「お気に入り」に入れておくのがおすすめです。レベルごとにたくさんの学習教材が紹介されています。
まず最初は「JOJO」というミニドラマをよく見ました。
これは3シリーズあるドラマ仕立ての教材です。1話が2分くらいで終わってしまい、とっても短いので、見てみようという気になれます。字幕も、スクリプトも問題もついています。話も面白いし、音楽も気に入っていました。途中で女優さんが変わってしまったのがちょっとショックです。私は1シリーズ目の女優さんが好きです。
「JOJO」 シリーズ1~3 (Staffel1~3と書かれています)
耳が慣れてきたら「Das sagt man so」も良いです。ことわざ紹介のような短いお話がたくさん紹介されています。最初は辞書を引きながら。そのうち、慣れてくると辞書が無くてもなんとなく内容を把握できるようになりました。
最後が、「Top Thema」。旬の話題がたくさん紹介されていて、素晴らしいです。初めから挑戦するには難しいけど、ドイツ語の学習が進むにつれてちょっとずつ理解できるようになりました。
また、Easy German (YOU TUBEにエピソードが豊富にあります)も、おすすめです。
ドイツに住む一般の人に、あるテーマについて街頭インタビューする形の10分程度の番組です。英語とドイツ語の字幕が付いています。自然なスピードの会話に耳を慣らし、ドイツ人の生活について知ることができます。
4.会話の対策をする
会話はひたすら練習をするに限ります。(相手がいないので独り言になりますが(汗))
プレゼン試験は、テーマを20パターンくらい自分で用意して、練習しました。ゲーテのテキストに出ているものやオンラインの模擬試験のもの、自分で考えたテーマでも練習しました。
タイムを計って、ドイツ語で言いたいことを時間内に言う練習をします。
実際の試験のプレゼンは、テーマを与えられてから少しの間、構想を練る時間が与えられます。実際にスピーチをするのは3分間程度。だから、その要領でたくさん練習しておくと本番でも落ち着いて話せると思います。
※試験当日は、よく使うフレーズをまとめたメモ帳を用意しておくと、試験ギリギリまで唱えて覚えられます。
会話は、同時に作文の練習にもなります。
パーティ等の企画の問題は、想定される問答が限られているので、自分で思いつく限り用意して暗記していくと対応できます。
それと、どのようなシチュエーションにも使えそうな受け答えをいくつか完璧に暗記しておくと良いと思います。
例)
それ、良いアイディアだね! Oh, das klingt eine gute Idee!
一緒に買い物に行かない? Wollen wir zusammen zum Einkaufen gehen?
それ、いいね。 Das finde ich auch gut !
などのリアクション系のフレーズは、いつでも使えます。
5.最後にゲーテのテキストに挑戦!
勉強が進んだら、最終的にはゲーテインスティテュートの問題集を何度も解く。聞き取りは特に、スクリプトを見ながら始めて何度も何度も聞くべきです。問題集の中に登場する様々なタイプの声(女性の声、男性の声、方言や癖のある感じで話す声など)に慣れておくと、試験でも安心だと思います。
※ゲーテのサイトに載っている模擬試験はユング用(子供向け)も解きました。聞き取りの難易度は大人向けと変わらない気がします。
ゲーテの試験を受けるなら、ゲーテのテキストを隅々までしっかり解いておくことです。でないと私のように本番の試験に何度も落ちることになります。
真剣に、気合を入れて解くこと。
可能なら、試験の1か月前にはこのゲーテのテキスト(問題集)に取り掛かれるとベストと思います。私はこれを2週間前から始めたので、時間的に余裕がなさ過ぎてきめ細やかなチェックができませんでした。
ただ、ゲーテのテキストは全て(A1の試験問題集でも)100%ドイツ語で書かれているので、最初はハードルが高いです。ある程度の実力がついた時点での使用をおすすめします。辞書を引いているだけで時間が過ぎてしまうのは、効率的ではないです・・
以上です。長々とお読みくださりありがとうございました。